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物流委託とは?EC事業者が知るべき3PLサービスの基本から導入まで完全ガイド

公開日:2025.12.09

更新日時:2025.12.08

物流委託とは?EC事業者が知るべき3PLサービスの基本から導入まで完全ガイド

物流委託は、EC事業の成長に欠かせない戦略的な選択肢として、多くの企業に注目されています。自社の物流業務を専門企業に委託することで、コスト削減と業務効率化を同時に実現できるからです。特にEC市場の急成長により、物流品質の向上と迅速な配送が競争優位性を左右する重要な要素となっており、専門的な物流サービスへの需要が高まっています。 本記事では、物流委託の基本概念から導入プロセスまで、EC事業者が知るべき情報を包括的に解説いたします。

ゼネラルマネージャー / 成田 遼太郎
ゼネラルマネージャー / 成田 遼太郎

月間数億円規模のECをShopifyで構築し、物流を最適化してきた実績があります。ECサイトの立ち上げから、複雑な物流課題の解決までトータルでサポート。貴社のEC事業がさらに成長するよう、効果的なECサイト構築と効率的な物流体制の両面から貢献します。

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月間数億円規模のECをShopifyで構築し、物流を最適化してきた実績があります。ECサイトの立ち上げから、複雑な物流課題の解決までトータルでサポート。貴社のEC事業がさらに成長するよう、効果的なECサイト構築と効率的な物流体制の両面から貢献します。

物流委託(物流業務委託)とは何か?基本概念を理解する

物流委託の定義と3PLとの関係

物流委託は企業が自社の物流機能を外部の専門企業に委託することで、コア業務に集中し効率化を図る戦略です。3PLは物流戦略の企画から実行まで包括的に受託するサービスで、物流全体の最適化を目指します。1990年代にアメリカで始まり、日本でも2000年以降広がりました。国土交通省では3PLを「荷主企業に代わって、最も効率的な物流戦略の企画立案や物流システムの構築の提案を行い、かつ、それを包括的に受託し、実行すること」と定義しています。

自社物流と物流委託の違い

自社物流は企業が物流業務の責任と管理を直接行いますが、物流委託は専門業者が責任を持ち管理します。資源や専門知識の面で差があり、物流委託はリスク分散や需要変動への柔軟対応が可能です。企業は物流委託によりコアビジネスに集中でき、効率化とコスト削減が期待できます。コストと専念度の面では、自社物流では企業が物流業務に自社のリソースを割く必要がありますが、物流委託では企業がコアビジネスに集中でき、効率化やコスト削減の機会を提供します。

運送委託との違いと使い分け

運送委託は貨物輸送に特化し責任範囲が限定的ですが、物流委託は保管や在庫管理なども含む包括的なサービスです。EC事業者には受注から配送完了まで一貫した物流委託が適しています。運送委託契約では、運送業務の詳細や料金、責任範囲が明確に定められ、特に運送中の事故や遅延への対応が重要な要素となります。一方、物流委託はより包括的なサービスで、運送だけでなく保管、在庫管理、流通加工、情報管理まで含む総合的な物流ソリューションを提供します。

物流委託で外部委託できる業務範囲

基本的な物流業務の委託内容

物流委託では物流プロセス全体にわたって幅広い業務を外部委託することが可能です。基本的な物流業務として、以下の3つの主要業務があります。

  • 入荷・検品業務:商品の受け取りから倉庫への搬入、品質確認まで一連の作業を委託
  • 保管・在庫管理:商品特性に応じた最適な保管環境の提供とWMSによる在庫管理
  • 出荷・ピッキング・梱包:効率的なピッキングシステムによる出荷精度向上と梱包作業

これらの業務を専門業者に委託することで、効率性と品質の向上を同時に実現できます。入庫料は入庫形態によって料金体系が異なり、検品業務は商品特性に応じてカスタマイズされたサービスを提供します。

付加価値サービスの委託範囲

物流委託では基本業務に加えて、様々な付加価値サービスを委託することができます。これらのサービスにより、EC事業者はより高度な顧客サービスを提供できるようになります。

  • 流通加工・アッセンブリ:ラベル貼り、セット組み、ギフト包装などの最終加工作業
  • 返品・回収対応:返品商品の検品、再出荷のための包装、在庫への反映
  • 情報管理・データ連携:WMSを通じた在庫情報のリアルタイム連携とデータ統合管理

これらの付加価値サービスにより、顧客ニーズに柔軟に対応し、サービスの質を向上させることができます。ECサイトとの自動連携により、受注から出荷まで人的介入を最小限に抑えた効率的なオペレーションが可能になります。

物流を外部委託するメリットとデメリット

物流委託の主要メリット

物流委託には企業の競争力向上に直結する4つの主要メリットがあります。これらのメリットを理解することで、自社にとって最適な物流戦略を構築できるでしょう。

  • コスト削減効果:固定費を変動費化し、スケールメリットを活かした低コストの運営
  • 専門性の活用:物流のプロフェッショナルによる高品質なサービスの提供
  • リソースの最適配分:コア業務への集中による競争優位性の確立
  • スケーラビリティの向上:事業成長に応じた柔軟な拡張性の確保

特に発送料については、倉庫業者が運送会社と契約しているため、荷物量が少なくても自社出荷より安くなるケースが多く見られます。これらの専門性により、自社では実現困難な高品質な物流サービスを提供でき、顧客満足度の向上に直結します。

物流アウトソーシングのデメリットと注意点

物流委託には多くのメリットがある一方で、慎重に検討すべきデメリットも存在します。これらの課題を事前に理解し、適切な対策を講じることが成功の鍵となります。

  • コントロール性の低下:細かな作業指示や即座の方針変更が困難
  • 情報共有の課題:リアルタイムでの在庫状況や出荷状況の共有体制が重要
  • 品質管理の難しさ:自社の品質基準を委託業者に確実に伝達し維持することが困難

これらの課題に対しては、契約時に詳細なSLA(サービスレベル合意)を設定し、定期的なコミュニケーションを維持することが重要です。システム連携の充実と定期的な情報共有の仕組み作りが不可欠となります。

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物流委託にかかる費用と料金体系

物流アウトソーシング費用の構成要素

物流委託の費用は、固定費と変動費の2つの要素で構成されています。この料金構造を理解することで、自社の事業規模や特性に応じた最適なコスト管理が可能になります。

  • 固定費:基本料金(WMS利用料など)と保管料(立地や環境により変動)
  • 変動費:入庫料、検品料、ピッキング作業料、梱包料、発送料など作業量に応じた料金

保管料は倉庫の保管スペースに対する料金で、借りる広さや倉庫の立地により相場が変動します。一般的に地方より都市圏の方がコストは高くなり、冷凍や常温など保管環境によっても料金が異なります。業者によって単位が異なるため、比較検討の際は注意が必要です。

費用対効果の考え方

物流委託の導入検討において、単純な費用比較ではなく総合的な費用対効果の評価が重要です。安い料金設定であってもサービス品質が低ければ、結果的に顧客満足度の低下や売上減少につながる可能性があります。費用対効果を評価する際は、直接的な委託費用だけでなく、自社で物流業務を行う場合の隠れたコストも考慮する必要があります。多少見積もり金額が高くてもサービス品質が高ければ、業務効率の向上により結果的にコストダウンにつながるケースが多く見られます。

物流委託業者の選び方と比較ポイント

物流アウトソーシング企業選定の基準

物流委託業者の選定は、EC事業の成功を左右する重要な意思決定です。適切な選定基準を設けることで、自社のニーズに最適なパートナーを見つけることができます。

  • サービス対応範囲:基本業務から付加価値サービスまでの提供範囲と将来の拡張性
  • 技術・システム対応力:WMSの機能性とECサイトとの連携能力
  • 品質管理体制:ISO認証の取得状況と継続的改善の取り組み

現代の物流委託では、リアルタイムでの在庫連携、自動出荷指示、配送状況の追跡など、システム連携の充実度が業務効率に大きく影響します。自社の既存システムとの親和性を事前に確認することで、導入後のトラブルを回避できます。

委託業者選定のチェックポイント

物流委託業者を選定する際は、複数の観点から総合的に評価することが成功の鍵となります。適切なチェックポイントを活用して、最適なパートナーを選定しましょう。

  • 財務安定性と事業継続性:決算書確認、信用調査、BCP策定状況の評価
  • 立地とアクセス性:主要配送エリアへのアクセス性と配送業者との連携状況
  • コミュニケーション体制:専任担当者の配置と定期的な報告体制の整備
  • 複数業者からの見積もり取得:適正価格の把握とサービス内容の比較検討

見積もり比較の際は、料金だけでなくサービス内容、対応範囲、契約条件なども総合的に評価することが重要です。単純な価格比較ではなく、費用対効果の観点から最適な選択を行いましょう。

フロントラインが選ばれる理由

豊富な実績と専門性による高品質サービス

当社は2019年の設立以来、物流業界に特化した専門企業として着実に成長を続けています。当社には物流業界で20年以上の経験を持つベテランスタッフが在籍しており、アパレル、化粧品、健康食品、家電、雑貨など多様な商品特性に対応した豊富な実績を持っています。EC事業に特化したサービス提供により、オンライン販売特有の課題を深く理解し、最適なソリューションを提案いたします。
また、実際に入荷商品のラベル不備が発生した際も迅速に対応し、予定通りの納品日に間に合わせた実績があり、季節商品やトラブル対応においても豊富な経験を活かした柔軟な対応力を発揮しています。

最新技術と充実したサポート体制

当社では、OMS・WMS一体型のEC自動出荷システムを導入し、リアルタイムでの在庫管理と迅速な出荷処理を実現しています。関東圏の配送において特に強みを発揮し、主要都市部への迅速な配送サービスを提供しています。
初めて物流委託をご利用いただくお客様にも安心してサービスをご利用いただけるよう、お客様のニーズや事業規模に合わせた段階的なサポートを提供しています。専任担当者が導入から運用まで一貫してサポートし、定期的なコミュニケーションを通じてお客様の課題解決に努めます。小規模な委託から始めて、事業成長に合わせてサービス範囲を拡大していくことも可能です。

まとめ:物流委託で事業成長を加速させるために

物流委託は、EC事業者にとって競争優位性を確立し、持続的な成長を実現するための重要な戦略的選択肢です。適切な物流委託により、コスト削減、品質向上、事業拡張性の確保を同時に実現できるからです。
本記事で解説したように、物流委託の成功には、基本概念の理解、適切な業者選定、詳細な契約設計、継続的な管理・改善が不可欠です。特に、自社のニーズを明確にし、それに最適な委託業者を選定することが、成功の鍵となります。物流委託は単なるコスト削減手段ではなく、事業成長を加速させる戦略的投資として位置づけることが重要です。
専門業者の知識と経験を活用し、自社のコア業務に集中することで、市場での競争優位性を確立し、持続的な成長を実現できるでしょう。

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