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物流

物流自動化システムの種類と特徴|AGVからWMSまで完全解説

公開日:2025.12.16

更新日時:2025.12.08

物流自動化システムの種類と特徴|AGVからWMSまで完全解説

物流自動化のメリットを実現するシステムの種類と特徴を完全解説。AGV、ソーター、WMSなど、最適なシステムの選定で人手不足の解消と品質の向上へ。

ゼネラルマネージャー / 成田 遼太郎
ゼネラルマネージャー / 成田 遼太郎

月間数億円規模のECをShopifyで構築し、物流を最適化してきた実績があります。ECサイトの立ち上げから、複雑な物流課題の解決までトータルでサポート。貴社のEC事業がさらに成長するよう、効果的なECサイト構築と効率的な物流体制の両面から貢献します。

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物流自動化システムの種類と特徴|AGVからWMSまで完全解説

物流自動化への関心が高まる中、「どのようなシステムがあるのか」「自社に適したシステムはどれか」といった疑問を持つ企業が増えています。物流自動化システムは多岐にわたり、それぞれ異なる特徴と適用範囲を持っています。
本記事では、AGVやAMRなどの自動搬送システムから、ソーター、ピッキングシステム、立体自動倉庫、WMSまで、主要な物流自動化システムの種類と特徴を詳しく解説します。システム選択の判断材料として活用できる実践的な内容です。

物流自動化システムの種類と特徴|AGVからWMSまで完全解説

物流自動化システムは現代のEC事業者にとって競争力維持の必須要件となっています。人手不足や品質向上のニーズに対応するため、多様な自動化技術が開発されています。

自動搬送システム(AGV・AMR)

自動搬送システムは物流自動化の中核技術で、AGVとAMRの2つの主要方式があります。床マークを検出するAGVから自律判断するAMRまで、搬送業務を革新する重要なシステムです。

  • AGV(無人搬送車): 床のマークを検出して走行する車両で、上位システムからの指示により物品を自動搬送する機能を持つ
  • AMR(自律走行搬送ロボット): SLAM技術により自己判断で走行経路を計算し、環境を認識して目的地に向かう自律性の高いロボット
  • 倉庫での活用: 仕分けやピッキング作業の自動化により人手不足を補い、生産性向上を実現する重要な搬送システム

AGVからAMRへの技術進化により、より柔軟で自律的な搬送システムが実現され、人手不足解決と生産性向上の両立が可能になりました。

自動仕分けシステム(ソーター)

ソーターシステムは高速・大量の仕分け処理を実現する搬送機で、センター内業務の自動化に不可欠な設備です。様々な商品サイズに対応し、出荷効率を飛躍的に向上させます。

  • 高速仕分け能力: スライドシュー式ケースソーターは高い搬送速度で高速仕分けを実現
  • 多様な対応力: 名刺サイズから小型カートンケースまで、あらゆるピース品に対応できるピースソーター機能を提供
  • 業務効率化: 出荷時の店舗別仕分けや方面別仕分け作業の自動化により、センター内業務の大幅な効率化を実現

高速処理能力と多様な商品への対応力により、ソーターシステムは物流センターの中核機能として、大幅な業務効率化を実現しています。

自動ピッキングシステム

ピッキングシステムは完全自動化から人手支援まで幅広いソリューションを提供し、物流特性に応じた最適化を実現します。高精度な商品選別により誤出荷を大幅に削減できます。

  • DPS(デジタルピッキング): デジタル表示器の指示に従い商品を摘み取る高精度なピッキングシステムを実現
  • Goods-to-Person: 在庫コンテナと集品コンテナを作業者の手元に同時供給し、作業のみに集中できる効率的なシステム
  • ロボット自動化: ロボットによる完全自動ピッキングから表示器活用の人手ピッキングまで、物流特性に応じた最適ソリューション

自動化レベルを選択できるピッキングシステムにより、企業規模や物流特性に応じた最適な効率化と品質向上を実現できます。

立体自動倉庫

立体自動倉庫は限られた空間を最大限活用し、確実な在庫管理を実現する統合システムです。ラックとクレーンの一体構造により、保管効率と作業効率を同時に最大化します。

  • 最大限の空間活用: ラックとクレーンの一体構造により天井までの空間を立体的にフル活用し、保管効率を最大化
  • 多様な対応環境: パレット、ケース、カートン、バケットなど豊富なラインナップで冷凍・防爆・クリーン環境にも対応
  • 確実な在庫管理: タッチパネルやバーコードリーダーでワンタッチ操作、在庫管理コンピュータにより先入れ先出しを自動実行

空間効率と在庫精度を両立する立体自動倉庫は、特殊環境対応力と操作性の高さにより、確実で効率的な保管システムを提供します。

倉庫管理システム(WMS)との連携

WMSは倉庫内業務を統合管理する中核システムで、他システムとの連携により包括的な物流管理を実現します。AGVなど自動化システムとの統合で最適化効果を最大化できます。

  • 一元管理機能: 商品の入出庫、在庫管理、検品、ピッキング、梱包、出荷など倉庫内業務を統合管理するシステム
  • システム連携: CSV、DB直接、API連携により販売管理、生産管理、在庫管理システムとの統合を実現し業務効率化
  • AGVとの最適化: WMSがAGVに適切なタイミングで指示を出し、入出庫スケジュール最適化と搬送業務の自動化を実現

WMSを中心とした統合管理により、各自動化システムの効果を最大化し、倉庫全体の包括的な最適化と効率化を実現できます。

これらのシステムを組み合わせることで、企業は段階的な自動化を進め、投資対効果を最大化しながら物流業務の革新を実現できます。適切なシステム選択と導入計画により、持続可能で効率的な物流体制の構築が可能になります。

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物流自動化の目的と導入効果

自動化によるメリットは何か?

物流自動化によるメリットは多岐にわたりますが、最も重要なのは業務プロセスの効率化と品質の安定化です。自動化により、従来人手に依存していた作業を機械やシステムが代替することで、処理速度の向上、エラーの削減、コストの最適化を同時に実現できます。

具体的には、24時間365日の安定稼働により処理能力が飛躍的に向上し、ヒューマンエラーの削減により品質が安定化します。また、人件費の削減と労働環境の改善により、持続可能な事業運営を実現できます。

倉庫を自動化するとどんなメリットがあるのか?

倉庫の自動化により、作業効率の大幅な向上、品質の安定化、コスト削減、労働環境の改善という4つの主要なメリットを得られます。

作業効率の面では、ロボットやシステムによる高速処理により、従来の数倍の処理能力を実現できます。品質面では、自動化システムの高い精度により、誤出荷や在庫差異を大幅に削減できます。コスト面では、人件費の削減と効率化によるコスト最適化を実現し、労働環境面では、危険作業の代替と負担軽減により、安全で働きやすい環境を提供できます。

物流の自動化の目的とは

物流自動化の根本的な目的は、人に依存した物流環境から脱却し、安定的で効率的な物流システムを構築することです。現在の物流業務は人に依存している部分が多く、人材不足や品質のばらつきが大きな課題となっています。

自動化により、これらの課題を解決し、一定の物流品質を担保しつつ継続的に成長できる基盤を整えることが主要な目的です。また、労働環境の改善と従業員の負担軽減により、持続可能な事業運営を実現することも重要な目的の一つです。

投資対効果(ROI)の考え方

物流自動化のROI計算では、初期投資コストと継続的なリターンを正確に評価することが重要です。初期投資には、システム導入費用、研修費用、月々のシステム利用費が含まれます。

例えば、中小規模のEC事業者の場合、システム導入費用300万円、研修費用50万円、月々のシステム利用費10万円で、月々の物流コスト削減が100万円であれば、1年間のROIは155%となります。

ROI = (累計リターン - 累計投資) / 累計投資
累計投資 = 300万 + 50万 + (10万 × 12) = 470万円
累計リターン = 100万 × 12 = 1200万円
ROI = (1200万 - 470万) / 470万 = 155%

このように、正しく導入・運用することで、物流自動化は企業にとって大きな利益をもたらす可能性があります。

フロントラインのシステム統合力

当社ではOMS・WMS一体型のEC自動出荷システムにより、これらの物流自動化システムとの効果的な連携を実現しています。AGVやAMRなどの自動搬送システムとの統合から、ピッキングシステムとの連携まで、お客様の既存システムや新規導入システムとの最適な組み合わせをご提案いたします。物流業界での豊富な経験を活かし、技術的な課題から運用面での最適化まで、包括的なサポートを提供いたします。

導入タイミング

各システムの導入タイミングは、現在の課題と優先度に応じて決定すべきです。まず在庫管理の精度向上が必要な場合はWMSから、搬送作業の効率化が急務の場合はAGV・AMRから、大量処理能力が必要な場合はソーターの導入から検討することが効果的です。

成功事例

ある中規模EC事業者では、WMS導入から始まり、段階的にAGVとデジタルピッキングシステムを追加導入することで、3年間で処理能力を300%向上させ、エラー率を90%削減することに成功しています。このように、段階的なアプローチにより確実な効果を積み上げることが可能です。

まとめ

物流自動化システムは、AGV・AMRなどの搬送システム、ソーターによる仕分けシステム、ピッキングシステム、立体自動倉庫、WMSなど多岐にわたります。それぞれのシステムには固有の特徴と適用範囲があり、企業の業務要件や規模に応じて最適な組み合わせを選択することが重要です。投資対効果を正しく評価し、段階的な導入により確実な効果を得ることができます。

FAQ

Q: どのシステムから導入すべきでしょうか?
A: 現在の最大の課題に対応するシステムから導入することを推奨します。在庫管理が課題ならWMS、搬送効率が課題ならAGV・AMRから始めることが効果的です。

Q: 既存システムとの連携は可能ですか?
A: はい。多くの物流自動化システムは、CSV連携、DB連携、API連携などの方法で既存システムとの統合が可能です。

Q: 中小企業でも導入できますか?
A: 中小企業向けのスケーラブルなソリューションも多数存在します。初期投資を抑えた段階的導入により、規模に応じた最適なシステム構築が可能です。


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