カート・決済・受注管理が問うEC運用の改善余地
公開日:2026.06.23
更新日時:2026.06.23

株式会社フロントラインの成田です。2026年6月23日のECニュースは、カート運用後の品質低下、複数決済の一括導入、サプリメント特化のサイト構築、梱包材のサステナビリティ、値上げ時の顧客維持と、EC運営の土台を問い直す動きが揃いました。どのニュースもサイト上の施策だけでは完結しません。受注後の在庫連携、出荷指示の精度、返品フローの設計まで含めて組み立てた事業者が強くなる時代です。

月間数億円規模のECをShopifyで構築し、物流を最適化してきた実績があります。ECサイトの立ち上げから、複雑な物流課題の解決までトータルでサポート。貴社のEC事業がさらに成長するよう、効果的なECサイト構築と効率的な物流体制の両面から貢献します。
2026年6月23日のECニュースでは、カート運用の品質管理から、決済・サイト構築の基盤整備、梱包材や価格戦略まで、EC運営の土台に関わる5件を取り上げます。
ECサイト構築・カート運用の基盤整備
担当者の7割以上「ECカート運用後の品質低下」実感 ECマーケティング調査
ECマーケティング社の調査によると、ECカートを導入した担当者の7割以上が「運用開始後に品質低下を実感した」と回答しています。カート選定時には機能やコストが重視される一方で、運用開始後の保守体制やカスタマイズ対応に課題を感じるケースが多いとされています。
出典: ECのミカタ(2026年6月22日)担当者の7割以上「ECカート運用後の品質低下」実感 ECマーケティング調査
カート選定時に見落とされがちな運用後の保守設計
ECカートは導入時の機能比較で決まりがちですが、実際に運用を始めると、カスタマイズ対応のスピード、障害時の復旧体制、バージョンアップへの追従など、選定時には見えにくかった課題が表面化します。7割が品質低下を実感しているという数字は、導入判断と運用実態のギャップの大きさを示しています。
カートの品質が下がると、受注データの連携精度や出荷指示の正確性にも影響します。カート側で注文ステータスの更新が遅れれば、倉庫への出荷指示が滞り、配送リードタイムに直結します。カート選定の段階から、物流連携のAPI仕様や保守体制まで含めて評価する視点が求められます。
ECサイトに複数決済を一括導入して売上と顧客満足度を最大化する方法
カゴ落ちが多くて売上が伸び悩んでいるという悩みに直面していませんか。希望する支払い方法がない場合、多くの人がECサイトでの購入を途中で諦めてしまいます。複数の決済手段を一括導入するシステムを使えば、クレジットカードやID決済、後払いなどをまとめて追加でき、顧客の離脱防止と売上向上が期待できるとされています。
出典: ebisumartメディア(2026年6月22日)ECサイトに複数決済を一括導入して売上と顧客満足度を最大化する方法
決済手段の追加は受注処理の複雑化と表裏一体
決済手段を増やすこと自体はカゴ落ち対策として有効ですが、実務上は受注処理の複雑化とセットで考える必要があります。後払い決済やコンビニ決済を追加すると、入金確認のタイミングが決済手段ごとに異なり、出荷指示を出すタイミングの判断が増えます。
入金確認前に出荷指示が走る、あるいは入金済みなのに出荷が止まるといったズレは、顧客クレームの直接的な原因になります。決済手段を増やす前に、受注管理システムから倉庫管理システムへの連携フローを確認し、決済ステータスごとの出荷ルールを明確にしておくことが欠かせません。
失敗しないための「サプリメントECサイト構築」7つのコツ
サプリメントのECサイト構築では、その商材特性から、アパレルや家電などの一般的なECサイトと同じ感覚でプロジェクトを進めると、販売開始後に売上が伸び悩んだり、運用が回らなくなったりして失敗につながるリスクがあります。定期購入の導入、薬機法への対応、リピート率の設計など、サプリメント特有の要件を押さえた構築が求められます。
出典: ebisumartメディア(2026年6月22日)失敗しないための「サプリメントECサイト構築」7つのコツ
定期購入モデルは倉庫の出荷サイクル設計から始まる
サプリメントECで定期購入を導入する場合、サイト上のカート設定だけでなく、倉庫側の出荷サイクルの設計が不可欠です。毎月決まった日に出荷する定期便は、通常の都度注文とは在庫の引当ロジックが異なり、欠品リスクの管理方法も変わります。
サプリメントは使用期限の管理が必要な商材です。倉庫でのロット管理や先入れ先出しの運用が甘いと、消費者に期限の短い商品が届くリスクがあり、クレームや返品の原因になります。定期購入の仕組みを実装する段階で、出荷頻度・在庫引当ルール・ロット管理の要件をすり合わせておくことが安定した運用の土台になります。
EC運営と顧客体験の見直し
EC梱包材サステナビリティの最前線 - Reduce・Reuse・Recycleの現在地と日本への示唆
日本のBtoC-EC市場は2024年に26兆円を超えたとされています。その成長の裏側で、荷物1個ごとに消費される段ボールやプラスチック資材の量も増加しています。Reduce(削減)、Reuse(再利用)、Recycle(再資源化)の3つの軸から、EC梱包材のサステナビリティに取り組む動きが紹介されています。
出典: EC業界ニュース・まとめ・コラム「eコマースコンバージョンラボ」(2026年6月22日)EC梱包材サステナビリティの最前線 - Reduce・Reuse・Recycleの現在地と日本への示唆
梱包材の見直しは倉庫オペレーションの再設計を伴う
梱包材のサステナビリティは、環境対応だけの話ではありません。梱包資材を変更すると、倉庫での作業動線や梱包工程そのものが変わります。段ボールサイズの統一や薄型資材への切り替えは、保管スペースの効率化や配送コストの削減につながる一方、商品の破損リスクとのバランスを取る必要があります。
資材コストだけでなく、梱包工数や破損率の変化まで含めて評価することが重要です。資材を安くしても梱包に時間がかかるなら、出荷キャパシティに影響します。サイト上でサステナビリティを訴求する場合、実際の梱包品質との一貫性が顧客の信頼に直結します。
値上げ=客離れって本当?「ブロンコビリー」に学ぶ「選ばれる理由」の作り方
ネットショップ担当者が読んでおくべき2026年5月23日から6月5日のニュースをまとめた記事で、飲食チェーン「ブロンコビリー」の値上げ戦略が取り上げられています。価格を上げても客離れを起こさないために、顧客に選ばれる理由をどう設計するかが論点です。
出典: ネットショップ担当者フォーラム 値上げ=客離れって本当?「ブロンコビリー」に学ぶ「選ばれる理由」の作り方【ネッ担まとめ】
価格改定後に試されるのは購入体験全体の納得感
価格改定は、ECでも避けて通れないテーマです。原材料費や物流コストの上昇を受けて値上げに踏み切る場合、サイト上の価格表示を変えるだけでは顧客の納得は得られません。ブロンコビリーの事例が示すように、価格に見合う体験を具体的に提供できるかどうかが分かれ目になります。
ECにおける「体験」は、商品の品質だけでなく、注文から届くまでのスピード、梱包の丁寧さ、返品対応の分かりやすさまで含まれます。値上げに踏み切る前に、配送リードタイム、同梱物の工夫、到着後のフォロー体制など、購入体験全体を棚卸しすることが、価格への納得感を支える実務的な打ち手になります。
2026年6月23日のまとめ
本日のニュースは、EC運営の基盤整備から顧客体験の再設計まで、サイト上の施策だけでは完結しないテーマが並びました。
カート運用の品質維持と決済連携を定期的に点検する
カート導入後の品質低下を7割の担当者が実感しているという調査結果は、導入後の保守と運用改善の重要性を示しています。決済手段の追加時には、受注ステータスと出荷指示の連携フローを事前に確認しておくことが不可欠です。
梱包・配送の品質を顧客体験の一部として設計する
梱包材の見直しや配送品質の改善は、コスト削減やサステナビリティ対応だけでなく、顧客が感じる購入体験の質に直結します。サイト上の訴求と実際の配送体験に一貫性を持たせる設計が重要です。

